Monday, 30 April 2012

モンペリエ探索

モンペリエの語語学校に通う初日。 中途半端なまま停滞しているフランス語、この4週間でどれだけ上達できるだろうか?

簡単な入学手続きと説明を受け早速クラスに。 4人のクラスメイトはベトナム系米国人、ロシア人、スイス人、ドイツ人と全員女性。 午前中90分のクラス2回は殆ど自己紹介で終わり。 午後からは学校主催のガイド付きモンペリエの街歩き。

上の写真はモンペリエの凱旋門。 オペラハウスもこれもパリの物を真似たそうだが規模は至って小さい。 真ん中のスキンヘッドの人がガイドのジャン・ポール。 最初この人の言うことがよく分からななくて「ひょっとしてフランス語?」と思うぐらい訛りが強く、しかも冗談ばっかり言ってるので理解するのが大変。 終わった後は頭がパンパンで爆発しそう。でもとても親切で楽しい人。

 モンペリエには大きな大学があるので若者の姿が目立つ。
 
中世の面影を残す建物の中庭
旧市街の路地にはいろんな店が並んでいて面白い。 どこでも見かける大手チェーン店はそれほど目立たず、地元の商店が頑張っている風で頼もしい。 向こうに見えるのはサン・ロック教会 St. Roch。
旧市街は車乗入禁止なので安全かつ快適に街歩きできる。
向こうに見えるのはサン・ピエール大聖堂 Cathedrale St. Pierre
 
街角の花屋さん。 種類が豊富で見慣れない花も沢山。
 
これは県庁、だったかな?
裁判所 
凱旋門から続くペイルー公園 Promenade de Peyrou
その更に先には水道橋が。
 
モンペリエは観光地ではないが普通に生活するにはとても快適な街のようだ。 気候は温暖、人間も穏やかで明るく感じる。 旧市街の19世紀の古い建物は趣があり、それが普通に使われているのがいいと思う。 街には活気があり、住宅地にはかわいらしい家が並び、背の高いマロニエの樹が豊かな緑で覆っている。
 
ホーム・ステイ先の御夫妻もとても親切で楽しい人たち。 手早く作るお料理も上手でおいしいし、幸運な出会いに感謝。 

 ホーム・ステイ先のお庭
 
 
 

Sunday, 29 April 2012

モンペリエ到着

ホテルでタクシーを呼んでもらい、パリ、リヨン駅へ向かう。 この日も雨だが、日曜日のせいか道路はスイスイ。 タクシー、ちょっと不安だったけど運転手さんが礼儀正しい人でよかった。

11時15分発のTGVでモンペリエ Montpellier に向かう。 途中昼食時間にかかるので駅の売店でサンドイッチと飲み物を買って乗り込む。 フランスの鉄道で旅をするのは随分久しぶり(2003年以来)だが、昔は駅のサンドイッチ店で必ずと言ってよいほど販売していたワインがすっかり姿を消してしまったようで残念。 ま、いっか。 

TGVファーストクラスのソロ席(お一人様席)はゆったりでとても快適。 トイレも自動ドアで車椅子でも十分対応できるゆったりサイズ。 しかし席に着くまでが大混乱。 何故かと言うと乗客の多くが大きなスーツケースを持っているのに車内の荷物置き場が十分でなく、しかも何か所かに分かれているため乗車するのに長蛇の列、やっと乗り込んでもスーツケースを納めようとする人たちで大混乱。 フランス国鉄SNCFでは宅配サービスがあるが、あまり利用されていないのかな?  

14時34分定刻通りモンペリエに到着。 4週間のモンペリエ滞在が始まった。 ホームステイ先のムッシュの出迎えを受ける。 初対面だが感じのよい人でよかった。 疲れていないなら家に向かう前にコーヒーでも、と誘われて街の中心にあるコメディ広場のカフェで一息&お互いの紹介。


コメディ広場 Place de la Comedie。 突当りの建物はオペラハウス。 イギリスでもパリでもずっと雨で寒かったのにモンペリエはこんな青空。 しかもずっと暖かい。 地元の人曰く、「太陽が眠らない街モンペリエ」「一年のうち300日晴れのモンペリエ」。 かなり誇張されていると思うけどさすが地中海に面した街。

モンペリエではこんなカラフルなトラムが活躍。 4路線あって車体の色で見分ける。 これはマルチカラーの花柄で一番派手だが他のもそれぞれとても個性的でおしゃれ。 車内も車体と同じ色系統なので乗り間違いを防げる。 静かで走行はとてもスムーズ、改札はないし、プラットフォームは低く(多分15cmぐらい)、道路からは無理のないスロープがついているので車椅子、乳母車、自転車などでもスイスイ。 切符はプラットフォームにある自動券売機で買う。

ホームステイ先のマダムはヴィオラ奏者。 この日は少し離れた町で昼・夜2回の演奏会があったのでお迎えがムッシュになった。 トラムに乗って家に連れて行ってもらい、夕食を頂いた後ムッシュの運転で夜の部の演奏会に。 到着早々素敵な夕べでした。

Saturday, 28 April 2012

パリ5日目 市立近代美術館他

翌日からしばしパリを離れ、次に戻ってくるのは6月中旬。 よってこの日も美術館通いに出発。

市立近代美術館 Musee d'Arts Modrne de la Ville de Paris

ここはお気に入りの美術館の一つ。 エコール・ド・パリ、フォーヴィズム、キュービズム、ダダイズム、シュル・レアリズム、アール・デコ、等など、この時代のアートは親しみやすくていいなあ。 入り口近くの楕円形の展示室にあるラウル・デュフィ Raoul Dufy のパネルを貼り合わせた巨大な(10mx60m) 絵「電気の妖精」(La Fee Electricite)が電気の発明から実用に至るまでを美しい色彩で描いていて楽しい。 
写真は市立近代美術館公式HPより

前回ここで藤田嗣治の「寝室の裸婦キキ」に出会って動けなくなってしまった。 能面のように無表情で日本的な顔、比較的大きなサイズで黒っぽいカーテンで縁取りしてあり、ひと際目立つ。 今回もじっくり対面できて幸せ。 でも表面の乾燥が進んでいるようなのが気にかかる。

パレ・ド・トーキョウ Palais de Tokyo

改装工事が終わったばかりらしいが、地下の何処までも続く広大なスペースはこれで完成?てな感じのユニークな展示。 最先端の現代アートって分からないことが多いワ。

建築・文化財博物館 Cite de l'Architectre et du Patrimoine

シャイヨー宮の東半分にオープンした建築史をたどる博物館。 1階の天井は3~4階分ぐらいの高さがあり、自然光を取り入れた広々としたフロアにフランス各地の中世の聖堂建築の扉、階段、支柱など部位の実物大鋳造複製(moulage)が展示されている。 パリに居ながらにして各地の名建築の詳細が見られる、というもの。 どれもよくできていると思うが、鋳型で作った複製なので細部の処理や質感に物足りなさを感じないでもない。
写真は建築・文化財博物館公式HPより
 
上の方の階には実物大壁画の複製が沢山あったが、これもちょっと無理がある感じが否めなかった。 ル・コルビュジエ Le Corbusier の「ユニテ・ダビタシオン」Unite d'Habitation の実物大模型は中に入ることもでき、これは面白かった。

また地下のフロアでは特別展 Circuler. Quand nos mouvements façonnent les villes. (Flow. When movement shapes our towns)があり、道路、車、電車、駅、飛行機、空港など時代を追って発展していく都市交通を取り上げ、これも楽しかった。


写真は建築・文化財博物館公式HPより
 

ジャックマール・アンドレ美術館 Jacquemart-Andre Musee

銀行家エドゥアール・アンドレEdouard Andre が1860年代から始め、後に妻となる画家のネリー・ジャックマールNelie Jacquemart とともにヨーロッパや中東の各地に赴き蒐集した美術品を19世紀のエレガントな私邸に展示している。 子供に恵まれなかった二人は優れた美術品を後世に残すため終生蒐集に情熱をかたむけ、没後は邸宅とともに政府に寄贈している。

企画展開催時の月曜と土曜は21時半までオープン。 この日はエジプト特別展があり土曜日とあって夕方から入館。 



 
 
写真はジャックマール・アンドレ美術館公式HPより
 
イタリアルネッサンスの絵画を始め彫刻、家具、調度品、壁画、天井絵、タペストリーなどの展示もさることながら、ナポレオン3世の第2帝政時代の富豪の邸宅ということで豪華な内装に目を奪われる。 ここでどんな暮らしが繰り広げられ、どんな旅を続けて優れた美術品を探してきたのか等想像しながら、ゆっくりと楽しませてもらった。 
 
 


Friday, 27 April 2012

パリ4日目 装飾芸術美術館とポンピドゥー・センター

午前中はホテルから歩いてすぐの装飾芸術美術館 Musee des Arts Decoratifs に。 豪華な宝飾品、装身具、家具、調度品などが優美な建物内に展示されている。 宝飾・装身具の室内照明は低く抑えられ、宝石類の深い輝きがうまく出るよう工夫されていて、さすがだなあ。 人も少なくゆっくりと眺めて歩いた。

モードと織物美術館 Musee de la Mode et du Textile ではフランスが誇るオート・クチュールの世界が。 

ルイ・ヴィトンの特別展では一段と人出が増える。奇抜なディスプレイにも引き寄せられる。

創始者のルイ・ヴイトンさんは1821年、14歳の時にスイス国境に近いジュラから歩いてパリにやってきたのだそうだ。 当時の貴族やお金持ちの女性たちは一日に何度も着替えていたので旅行に行く時には沢山の衣装を箱に詰めて運んでいた。 衣装はどれも嵩張り、しかも型をつぶさないように詰めなくてはいけないのでプロの手を要した。 

ルイ・ヴィトンのキャリアはこの美術館にほど近いサント・ノレ通り rue de Sait Honore のそんな衣装箱やトランクのメーカーで始まった。 もともと大工の息子とあってめきめき腕を上げ、ナポレオン皇帝ウジュニー妃担当にまでなる。 その後独立してルイ・ヴィトンのブランドを立ち上げ、当時競合の激しい業界で独自のアイデアや技術を次々と編み出し世界の一流ブランドに育てる。 

展示の中で特に目を引いたのが、お人形用の衣装セット一式とトランク。


下着から小物までどれもとても可愛く丁寧に作られている。 子供のお人形用でこれだけの数だから実際の当時の女性たちの衣装の量ってどれだけあったことか。 正に大名行列だったのだろう。

お昼は館内のレストランで。チュイルリー公園越しにエッフェル塔が見え、明るく開放的でとってもおしゃれ。お料理ももちろんばっちりおいしく頂きました。 お天気がよければテラスが気持ちよさそうだけど、この日も雨で結構肌寒い。


写真はいずれも装飾芸術美術館公式HPより。

午後は腹ごなし兼散策を兼ねてポンピドゥー・センター(正式名は国立近代美術館) Musee National d'Art Moderne まで歩いて近・現代アート観賞に。 丁度マティスの特別展があり、展示の量が半端じゃなく、ここだけでもかなりの時間を要してしまった。 

でもポンピドゥー・センターは夜9時までオープンしているので他の展示もしっかり見て、最上階のトレンディーレストランで夕食もしっかりと。 ここのレストラン、ウエイターと特にウエイトレスが皆私服でモデルのようにやたらとかっこよく、それも楽しみのうち。 その後地下の劇場でコンサートまで行っちゃった。 フランスの歌や音楽が聴けるかと思ったらメインはアメリカ人、最後は現代音楽でちょっとがっかり。 途中で出てきたが、22時を回っていた。

こうしてパリ4日目も目いっぱい濃い一日であった。




Thursday, 26 April 2012

パリ3日目 オルセー美術館

ホテルはヴァンドーム広場とチュイルリー公園に挟まれた抜群のローケーションなので大抵のところには徒歩で行ける。 午前中ホテルの周辺を散策し、午後からオルセー美術館 Musee d'Orsay へ。  


写真はいずれもオルセー美術館公式HPより

木曜日は21時45分までオープン。ドガの特別展も開催中だったので常設展と合わせたチケット€12(日本円で約1300円)を買って中に入る。(常設展のみだと€9。) €が安くなった分日本円にするととても安く感じる。

印象派のフロアは相変わらず人が多いが、照明、壁や床の色、展示方法などがよくなっていて作品が見やすくとても居心地がよろしい。 ところどころに日本人デザイナーによるガラスのベンチが設置されていてこれがとてもいい。 

ドガ展、アール・ヌボーの家具や内装、中央の高い天井の下に広がる彫刻類も好きでゆっくり見て回った。 そして元ホテルの一部だった素晴らしい内装のレストランで夕食も。




Wednesday, 25 April 2012

パリ2日目 旧友探訪

イギリスも連日雨で寒かったがパリに来ても雨で寒い。 ホテルからすぐのチュイルリー公園 Jardin de Tuilerie も雨に濡れて。 突当りがルーブル博物館。


でもずっと降り続けているわけではなく、時々小止みになると散歩の人たちも出てきて。

前日出迎えてくれた友人夫妻とともにご主人の方の実家へ。 1980年の夏ここで2カ月お世話になった思い出深いファミリー。 連日ここのマダムにぴったりくっついてお料理を教えてもらったり、日々の買い物に行ったり、ご近所や親せきのお家にお邪魔したり、本当に楽しい日々を過ごさせてもらった。 

マダムの娘さん二人も当時新婚さんで、彼らが南仏にバカンスに行く時には一緒に連れて行ってもらった。その後子連れでも何度かお世話になり、娘さんファミリーも交えてスイスに近いジュラまでバカンスに行ったこともあったっけ。

70歳代になった今ではマダムとムッシュはひ孫まで出来て幸せそう。 孫夫婦も含めて皆近くに住んでいるので何かと言っては集まり、楽しそう。 いいな、こういうの。 夕方からは孫夫婦の家で全員集合。そんな懐かしいファミリーの全員に会うことが出来て嬉しい限り。 皆元気そうで何より。 

そのお孫さんに当たる娘さんは我が家の長男と年が近く、赤ちゃんの時からバカンスに一緒に行ったりしているのでとりわけ馴染みが深い。 その彼女も今年待望の赤ちゃんを出産してママになった。 3か月になった赤ちゃんはとても可愛く、皆に愛され、まさにスターだ。 

若い彼ら夫婦は古い家を購入して、週末毎に友達や親せきに手伝ってもらいながら少しずつ内装工事を進めている。 最初は廃屋のようだった家も1年ほどを経て一階のキッチン、サロン、バスルームと寝室一つが仕上がり、これから2階に手をつけるところ。 何年も工事現場に住むことになるが、それも楽しそう。

そんな懐かしいフランス人大ファミリーに歓待され、大いに飲み、食べ、しゃべり、努濤一日であった。 

Tuesday, 24 April 2012

パリ到着

ロンドン、セント・パンクラス St. Pancras 駅朝10時24分出発のユーロスターでパリに向かう。 一週間前にヨーク行きの列車に乗ったキングスクロス駅と地下でつながっている。 この駅も明るくきれいになっていて、カフェ、本屋、花屋などの店もお洒落。 

簡単なチェック・インと出国手続きを済ませると待合ラウンジに出る。 とてもモダンで快適な空間。 カフェでコーヒーを飲みながら出発20分前までプラットホーム番号が出るのを待つ。 実はユーロスターは今回初体験。 チケットは日本の専門代理店で発券してもらって来た。 フランス・レール・パスと併用なので割引料金が適用されているが代理店の手数料を含むスタンダード・プレミア(ビジネスクラスに相当?)の料金は日本円で約15,000円。 一人掛けのソロ席 Solo はとてもゆったりしているし、朝食のサービス(ジュース、パン、ヨーグルト、果物、コーヒー)もあるし、日本の新幹線に比べるとずっとお値打ち感がある。

この時点で£1に対して日本円は135円ぐらい。 多分に日本円に対して£が安くなったせいもある。 1979年に初めてイギリスを訪れた時は£1が500円以上だった。 その数年前は800円とか1000円とかの時代もあったらしい。 日本円はどこまで行くのだろう。

予定通り2時間22分でパリ、北駅 Gare du Nord に到着。 イギリスとは1時間の時差があるので到着時刻は13時47分。 フランス側ではパスポートコントロールなし。 駅にはフランス人の友人夫妻が迎えに来てくれていた。 何年振りだろう? 前回パリに来たのは2006年の10月だが、その時は会えなかったので8年ぶりぐらいかな? すっかりご無沙汰してしまったが、会ってしまえばそんな空白の時間は瞬く間に飛んでしまう。 

パリに着いても雨で肌寒い。 渋滞だらけの中、1区のホテルまで車で連れて行ってもらいチェック・イン。 その後15区にある彼らのアパルトマンで一息。 夜はとってもパリらしい雰囲気のビストロ、カフェ・ド・コメルス Cafe de Commerce

Monday, 23 April 2012

ロンドン4日目 テート・モダンとミュージカル

ロンドン在住のもう一人の友人とイギリス人の御主人とウエストミンスター・セントラル・ホール Westminster Central Hall で待ち合わせ、ボタニカル・アート Botanical Art を観賞。 草花や野菜などを繊細な水彩画で表現したものでどれも美しかったが、なかでも惹きつけられたのは絵と刺繍をうまく組み合わせた作品群。 

お昼はご夫妻のお宅で日本食の手料理を頂く。(嬉しい!) 彼らは香港に長く住んだことがあり、それ以来あちこちで蒐集した東アジアのアンティークを英国の住まいに上手に取り入れ、まるでギャラリーのよう。 しかもギャラリーなどはよっぽど種類も品数も多く、どれも毎日の生活で使われているからこそ価値があるというもの。 夫人のボタニカル・アートの作品も拝見。 イチジクの感触が伝わってくるような絵でとても素敵。 よいご趣味をお持ちでうらやましい。 


しばしおしゃべりの後、午後はテート・モダン Tate Modern で現代アート観賞。 一部工事のため閉鎖されていたが、限られた時間ゆえ却って諦めがついてよかった。 この赤い階段の作品は作者のニューヨークのアパートをアートにしたものだそうだが、階段の天井近くに水道管があったりして芸が細かい。 テムズ川とミレニアム・ブリッジを望むおしゃれなカフェでお茶もしっかり。

夜は丁度ロンドン滞在中の香港時代の友達とコベント・ガーデン Covent Garden で待ち合わせて夕食。 この人とはそもそも32年前にロンドンで知り合い、その後彼女はご主人の出身地である香港に移住。 偶然にも私も3年ほど遅れて香港で生活することになり、彼女にはロンドンでも香港でも日本人生活者の先輩として、また子育てや仕事面でもとてもお世話になって来た。 こうしてお互い32年ぶりに思い出のロンドンで再会がかなうとは夢のよう。 よき友に恵まれて幸せ。
 
夕食後はミュージカル、トップ・ハット Top Hat へ。 フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース主演で大ヒットした1935年の映画の劇場版。
 
 
 
チケットは一枚£53(約7000円)。舞台数列目の真ん中でとてもよい席。 やっぱり本場で観るべき。 演じる人たちのレベルは申し分なく、次々に変わる華やかな衣装、ノリノリの音楽とスピード感溢れるダンス。 ミュージカルも思い切り楽しみ、イギリス最後の日もとっても濃い一日に。 お付き合いして下さった友人たちに感謝。

Sunday, 22 April 2012

ロンドン3日目 BBC見学

美しいヨークを後に、ロンドン到着。 宿は前回泊ったB&B バークレー・ハウス Barclay House が取れなかったので紹介してもらった別のB&Bにチェックイン。 夜はBarclay House のホストご夫妻のお宅で御馳走になった。 

二日目はロンドン在住30数年の友人と The Wallace Collection へ。 この友人、今は優雅なリタイア生活だが、20代中頃に安定した教職を投げ打ってイギリスに留学。 そして一年後にはロンドンの金融界で働き始め、キャリアを重ねるかたわらビッグな資格を次々に取得。 法廷弁護士の資格も取得し、それもキャリアに生かしてきたという超ツワモノ。 でもプライベートではアートや音楽が大好きな素敵なレディ。 お昼には彼女のマンションで手料理を御馳走になる。 その後 18世紀のエレガントな館 Courtauld Gallery で印象派等のアートをたっぷり楽しむ。 

夜はユニオン・シアター Union Theatre でオフ・ブロードウェイ・ミュージカル Babes in Arms。 これは Barclay House のマダムが付き合ってくれたのだが、劇場の住所通りに行ったのになかなか見つけられなかった。 普通の劇場のイメージと全く違うものだったから。 古い建物と建物の間の狭い路地を入ったところに小さなバーがあり、そこが入り口だったのだ。 劇場そのものは鉄道のガード下の空間を利用した昔で言うなら「アングラ劇場」。 席も30~40程度で舞台は土間。 その狭い空間にライブのバンドと所狭しと踊って歌っての役者さん達。 連れて行ってくれた彼女もびっくりしていたけど、とてもレベルの高いパフォーマンスで存分に楽しんだ。 

ロンドン3日目はかつての恩師ご夫妻とランチの後BBC見学。 BBCラジオのドキュメンタリー・ディレクターをしているお嬢さんのオフィスも見学。 

左側の石造りの建物が旧館。右側が現在建築中の新館。
さすがBBC、受付からガイドさんから皆さん格調高いBBC英語。



見学者にラジオドラマ体験させる、の図。 サスペンス仕立てのドラマをディレクターの演出を受けながら。 左端の女性は効果音担当。 ドアがきしむ音とか砂利道を歩く靴音とか。


BBC旧館のテラスからオックスフォード・ストリート方面を望む。

夜は Wigmore Hall で Hilary Hahn のバイオリン・コンサート。 至福のひと時。

Thursday, 19 April 2012

ヨーク3日目 カースル・ハワード Castle Howard

ヨーク3日目も雨。4月半ばというのに冬並みに寒い。 友人の運転でこの日はカースル・ハワード Castle Howard へ。 

貴族の館として300年の歴史とイギリスでも屈指の規模を誇る。 建物の荘厳さ、家具、調度品、壁画、彫刻や絵画などどれも大英帝国の偉大さを感じさせる。 門を入ってから建物が見えるまでの距離は車でも長く感じる。

この日は何故か家族連れの訪問者が多かった。 ガイドさんが子供達を話にうまく引き込んで退屈させないよう上手に案内していた。
 

広大な庭園は隅々まで手入れが行き届き気持がよい。

水仙の花が真っ盛り。 イギリスの春は鮮やかな黄色の水仙とともに訪れる。


帰りにギフトショップでDVDを購入。 イヴリン・ウォー Evelyn Waugh 原作の 「ブライドシェド再訪」 Brideshead Revisited 映画化のDVD。 かつてTVドラマのシリーズでもヒットしたらしい。 第2次世界大戦前大英帝国が最後に輝いていた時代の貴族が時代とともに崩壊していく話。と言えば簡単すぎるが、ロケにカースル・ハワードを使っていることもあり、私としてはなかなか見ごたえがあった。 エマ・トムプソンが光っている。

カースル・ハワードには現在も当主一家が住み続けていて、一角に家族写真が飾られていたりしてどことなく温かみを感じる。 とにかく広大な敷地と館なので彼らががどのあたりに住んでいるのかは想像もつかないが、敷地の一部には宿泊設備もあり、家族連れがホリデーを楽しむこともできる。










Wednesday, 18 April 2012

ヨーク2日目 ニュービー・ホール Newby Hall

朝食に果物やヨーグルトの他に頂いたご主人お手製の焼き立てのパンのおいしかったこと! リタイア後趣味を広げて夫妻で楽しんでいる様子、素敵だな。  

今日は二人が通う近くのローン・ボウリング・クラブを訪問。 (写真撮るの忘れた) 私が時々行くニュージーランドのクラブに比べるとグリーンも一面、クラブハウスもずっと小ぶりだがやはりこういうところもイギリスらしくしっとり落ち着いた佇み。 以前はキッチンが古くてボロボロだったのだが、近所でキッチンを改装する家が古い(といっても十分新しいデザインでどこも傷んでいない)ユニットをそっくり外に出していたのを譲り受けてクラブハウスのキッチンをご主人ともう一人のメンバーの自力で大改造! イギリスの男性って器用。 しかも楽しみながら出来ちゃう、ていうところがスゴイ。

その後はヨークシャーに数ある豪華な邸宅の一つ、ニュービー・ホール Newby Hall へ。 







ここは比較的こじんまりしている方だが見て歩くには丁度良い規模。 建物、内装、家具・調度品はもちろん、お庭が素晴らしい。 偉大なるイギリスを満喫。

Tuesday, 17 April 2012

イギリスへ

イギリスへ


写真はキングスクロス駅オフィシャルサイトより

香港経由で6年ぶりのロンドンへ。 香港でのトランジットは10時間以上あったので街に出て友達に会ったり少し用事をしたり。 長年住み慣れた香港、懐かしいというよりはいつでもストンと前の生活に戻ったような気がする。 

ヒースローには早朝5時40分に到着、地下鉄でキングスクロス駅へ向かう。 キングスクロスの駅がとてもスマートに改装されていてびっくり。 老朽化していた駅舎を整備し、新たに半円形のガラスで覆ったもの。

前回来た時と打って変わって、切符を売る窓口もとてもスマート。窓口の人も昔よりずっと親切。 9時過ぎの出発だと割引料金が適応されるので少し待つけどお得ですよ、と勧められるまま往復切符を買う。95ポンド(13,000円程)。

ヨークで待ってくれている友人に到着時刻を知らせるために公衆電話を探したがこの駅にはなく、隣接しているユーストン駅まで行ってめでたく連絡成功。 誰もが携帯やアイフォンを持っている時代になって公衆電話が街から消えてしまい、こういうときは不便。 新しくなった駅にはおしゃれなカフェがいくつかあり、2階のカフェでコーヒーを飲みながら出発コンコースの電光掲示板に列車の出発状況と出発ホームが出てくるのを待つ。

ヨークに着くとホームまで迎えに来てくれていた友人と再会を喜び合う。 元気そうでよかった! この人とご家族には30数年前イギリスに初めて来た時にロンドン郊外の彼女の素晴らしいお宅で半年間とてもお世話になった。 この一家は子供たちが小さい頃日本に住んだことがあり、日本の文化に親しみつつ楽しい思い出を沢山作り、今もその思いを大切にしている。 彼女は日本滞在中に生け花、鎌倉彫、日本料理、等を習得し、日本の民芸品や骨董なども集めて今もイギリスの家のそこここに上手に配置して生活を楽しんでいる。 彼女にはイギリスの家庭料理、ケーキ作り、ガーデニング、ベッドカバーやカーテンなどのソフト・ファーニシングなど沢山の事を教わり、その後の私の人生に大きな影響を与えてくれた。 

ご主人は当時長期海外出張が多かったが、仕事から帰ってきてもまずゆっくり、等ということはなく、物置に直行して大工仕事。 ゆっくりするのはは家族が揃って食事をする時。 普段一緒に居る時間がたっぷりあるわけではない分、余計に家族を大切にしているようで印象的だった。 

以来ずっと親しくしてもらい、イギリスに来るたびに会いに行く。 今はお嬢さん二人も結婚し、ご主人もリタイアされ、二人で悠々自適の生活。 ヨークに移り住んでからお邪魔するのは今回で3回目。 
この日は美しいヨーク旧市街や庭園を歩いたり、博物館や古いお屋敷を訪ねたりし、夜はご主人も交え、彼女の手料理を楽しみながら積もる話をたっぷり。