Saturday, 28 April 2012

パリ5日目 市立近代美術館他

翌日からしばしパリを離れ、次に戻ってくるのは6月中旬。 よってこの日も美術館通いに出発。

市立近代美術館 Musee d'Arts Modrne de la Ville de Paris

ここはお気に入りの美術館の一つ。 エコール・ド・パリ、フォーヴィズム、キュービズム、ダダイズム、シュル・レアリズム、アール・デコ、等など、この時代のアートは親しみやすくていいなあ。 入り口近くの楕円形の展示室にあるラウル・デュフィ Raoul Dufy のパネルを貼り合わせた巨大な(10mx60m) 絵「電気の妖精」(La Fee Electricite)が電気の発明から実用に至るまでを美しい色彩で描いていて楽しい。 
写真は市立近代美術館公式HPより

前回ここで藤田嗣治の「寝室の裸婦キキ」に出会って動けなくなってしまった。 能面のように無表情で日本的な顔、比較的大きなサイズで黒っぽいカーテンで縁取りしてあり、ひと際目立つ。 今回もじっくり対面できて幸せ。 でも表面の乾燥が進んでいるようなのが気にかかる。

パレ・ド・トーキョウ Palais de Tokyo

改装工事が終わったばかりらしいが、地下の何処までも続く広大なスペースはこれで完成?てな感じのユニークな展示。 最先端の現代アートって分からないことが多いワ。

建築・文化財博物館 Cite de l'Architectre et du Patrimoine

シャイヨー宮の東半分にオープンした建築史をたどる博物館。 1階の天井は3~4階分ぐらいの高さがあり、自然光を取り入れた広々としたフロアにフランス各地の中世の聖堂建築の扉、階段、支柱など部位の実物大鋳造複製(moulage)が展示されている。 パリに居ながらにして各地の名建築の詳細が見られる、というもの。 どれもよくできていると思うが、鋳型で作った複製なので細部の処理や質感に物足りなさを感じないでもない。
写真は建築・文化財博物館公式HPより
 
上の方の階には実物大壁画の複製が沢山あったが、これもちょっと無理がある感じが否めなかった。 ル・コルビュジエ Le Corbusier の「ユニテ・ダビタシオン」Unite d'Habitation の実物大模型は中に入ることもでき、これは面白かった。

また地下のフロアでは特別展 Circuler. Quand nos mouvements façonnent les villes. (Flow. When movement shapes our towns)があり、道路、車、電車、駅、飛行機、空港など時代を追って発展していく都市交通を取り上げ、これも楽しかった。


写真は建築・文化財博物館公式HPより
 

ジャックマール・アンドレ美術館 Jacquemart-Andre Musee

銀行家エドゥアール・アンドレEdouard Andre が1860年代から始め、後に妻となる画家のネリー・ジャックマールNelie Jacquemart とともにヨーロッパや中東の各地に赴き蒐集した美術品を19世紀のエレガントな私邸に展示している。 子供に恵まれなかった二人は優れた美術品を後世に残すため終生蒐集に情熱をかたむけ、没後は邸宅とともに政府に寄贈している。

企画展開催時の月曜と土曜は21時半までオープン。 この日はエジプト特別展があり土曜日とあって夕方から入館。 



 
 
写真はジャックマール・アンドレ美術館公式HPより
 
イタリアルネッサンスの絵画を始め彫刻、家具、調度品、壁画、天井絵、タペストリーなどの展示もさることながら、ナポレオン3世の第2帝政時代の富豪の邸宅ということで豪華な内装に目を奪われる。 ここでどんな暮らしが繰り広げられ、どんな旅を続けて優れた美術品を探してきたのか等想像しながら、ゆっくりと楽しませてもらった。