Saturday 26 May 2012

バイヨンヌ Bayonne

4週間の語学学校通い修了。モンペリエの街、学校で知り合った友達、お世話になったホスト・ファミリーともお別れ。皆さんお世話になりました。マダムとはすっかり意気投合してお陰でとても楽しい毎日だった。
この日から3週間の一人旅。 まずはモンペリエ発9:57のTGVに乗り、ツールーズで乗り換えてフランス側のバスクの中心、バイヨンヌ Bayonne に15:57到着。

バイヨンヌ駅。古くて趣のある建物だが切符売り場などはとてもモダンでかっこいい。
 
駅前のホテルに荷物を預けて街歩き開始。途中のホテルの壁に赤地に緑と白のクロスが入ったバスクの旗が。ちなみにフランスの官公庁や学校ではEU、フランスの旗と並び、中央にその土地の旗(今まで見た例ではオキシタン、カタロニア)を掲げている。
 
まずは街の反対の外れにある観光案内所を探すが、見つけにくい。近くの商店に入って尋ねると店の人は外まで出て丁寧に説明してくれた。 フランス人、結構親切な人が多い。特に地方の人。 
 
バイヨンヌの街には8km先の大西洋に流れ込むアドゥール川Adour と支流のニーヴ川 Niveが流れている。そのニーヴ川の両側に位置するのが博物館や美術館があるプチ・バイヨンヌ Petit Bayonne と商店や市庁舎銀行などが軒を連ねる中心地のグラン・バイヨンヌ Grand Bayonne。 まずは目当てのバスク博物館 Musee Basque へ。 なんだか懐かしい昔の体育館みたいな建物。でもこれもバスク建築様式の一つだそうだ。 少し遅めの出だしだが18:30まで開いているので十分ゆっくりと見学できた。 
 
館内はフラッシュさえ炊かなければ撮影自由。 民族衣装、立派な家具、調度品、食器などを配した部屋の復元、昔の貴族の肖像画、スポーツ器具、などが沢山展示されていてバスクの姿が見えてくる。 バスクの貴族というのは意外な感じがしたが、考えてみれば当然かもしれない。
 
中でも興味深かったのはビデオで見たバスク・ダンス。 下の絵はお祭りの様子を描いていて、絵の右下、地面上に赤ワインの入った小さなグラスが置いてある。 バスクのワイングラスはステム(脚)がついていないストンと安定したデザイン。(絵の下のグラスの写真参照) この絵の右端で高く跳びあがっている男性(華やかな女性のような衣装だが)は赤いワインの入ったグラスを起点に跳び上がっているのだ、ワインをこぼしたりグラスをひっくり返したりしないように。 ぴょんぴょん跳び上がるという点ではアイリッシュ・ダンスに似たところがあるが、こちらのはもっとバレーに近いような気がする。 実際バスク・ダンスの要素はクラシック・バレーに多く取り入れてられているらしい。 
 バスクのグラス。ワイン用にも使う。
 
バスク・ダンスのYouTubeによる動画を二つ紹介。ワイングラス版
  
バレエ版
 
お祭りの民族衣装も様々。 きっと地方地方で違うのだろう。
 
 
バスクのスポーツ、プロト・バスクpelote basque(スペイン語ではペロタ Pelota)。 
 
バスケット状のラケット。
バスクは他にもレガッタ、ラグビー、等のスポーツが盛ん。
 
  ニーヴ川を望むプチ・バイヨンヌ。
 
グラン・バイヨンヌの佇まい。木組みの壁や窓がカラフル。
 
赤と緑のバスクカラー
 
大西洋に流れ込むアドゥール川。
 
アドゥール川にかかるサン・テスプリ橋。
 
夕食はバスク料理の店に行ってみた。
 
店の人にシステラという店の名前の由来を聞いたところ、上の絵の左にある黄色いスプーン状の物で実物が店内のバーに土地の名産トウガラシpiment d'Esplette とともに天井から下がっていた。バスク博物館にあったボールを投げる時に使うバスケットだ。  
 
このスポーツ、プロト・バスク pelote basque (スペイン語ではペロタ pelota)またはハイアライ jai-alai というらしいがこの柳編みのシステラにボールを入れ、遠心力をつけてコンクリートの壁に打ち当て、相手が跳ね返ってきたボールをシステラで受け止めて壁に打ち返すというもの。 壁に打ち当てるという点ではスカッシュに似ているが非常に激しい。 コンクリートの壁から跳ね返ってくるボールは投げた時より速くなり、時速150マイルとか。世界で一番速いそして危険な球技と言われている。バスク博物館の絵ではベレー帽を被っていたが現在はヘルメット着用。 
YouTubeの動画ご覧あれ 
 
前菜に魚介類のスープ。ロブスタービスクみたいでおいしかった。
 
メインはバスク料理、ピペラド Piperade (トマト、玉ねぎ、ピーマン、を炒めて溶き卵やご当時名産のトウガラシを加えて煮込んだもの)にソーセージを乗せたもの。トウガラシ入りとは言え辛さは感じずおいしく頂きました。
 
アルドゥール川の向こうにある大西洋に沈む夕日を眺めながらホテルに帰る。