Sunday 27 May 2012

サン・セバスティアン San Sebastian

この日、5月27日(日)は山バスクに行くつもりだったのだが、祝日(聖霊降臨祭Pentecôte)に当たりローカル・バスは運休。 そのことが前日バイヨンヌの観光案内所で分かったのだが、ついでにスペイン側のバスクの中心地サン・セバスティアン San Sebastian へ鉄道を乗り継いで行けることが分かった。パス・バスク Passbask という往復チケット€11はとても良心的なお値段。

実はモンペリエの語学学校で最後の週にバスク人の女性と同じクラスになり、バスクに興味がありバイヨンヌに行くことを伝えたら、彼女が住むスペイン側のバスク中心地、サン・セバスティアンまで足を延ばすことを勧められていたのだ。 行き方が分からなかったのだがこんなに簡単に行けるなんて、やっぱり旅には出てみるものだ。 その時彼女に頼んでバスク語を少し話してみてもらったが、今まで聞いたことのあるどの言語とも結びつく所がなく、全く異質。でも不思議と違和感がない。 バスク人口は300万人いるのだそうだ。

バイヨンヌからフランス国鉄SNCFに乗って終着駅オンダイェHendaye。小さいながらもフランスらしい美しいデザイン。正面の両脇にはバスク名産のトウガラシをデザインした壁画が。
 
そこから20~30mほどのところにスペイン側のバスク鉄道始発駅。 こんなところにお国柄の違いが現れるのか。この二つの駅の間に国境があるのだろうが何の印もなく、知らない間に通過。
 
スペイン側の駅舎は小さく地味だったが、電車はとてもモダンで快適。一時間半ほどの短い旅で
サン・セバスティアンに到着。 (駅の名前はAmara バスク語では Donotia)。 

駅から道行く人に尋ねたりして街の中心に向かう。ひなびた街を想像していたのたがとんでもない。バイヨンヌとは比べ物にならない大きさで華やかな街。建物もぐっと洗練されている感じ。 

観光案内所がある街の中心。フランスと同じカトリック国なので週末に祭日が続く3連休。 しかもこんなに素晴らしいお天気なので街は観光客で溢れ、観光案内所には長い列。ようやく地図を入手し街歩き開始。
 
  
大きな広場に面したかつてのカジノ。現在は市役所。
 
何故かドンキ・ホーテとサンチョス・パンサの銅像が。
 
お腹が空いて来たので近くのバルへ。 バーカウンターには色んな種類のタパスとかピンチョスとかいうおつまみが。

フランス語も英語も通じないのでカウンターで指差してオーダーするとお皿に入れてテーブルまで運んでくれた。 茹でダコの串刺しおいしかった。暑かったので飲み物は冷たいサングリア(赤ワインを甘いソーダや果汁で割ったもの。シナモンのようなスパイスも少し入っている)。 この画面の左上にちらっと映っているが、バーカウンターと椅子の下にお客さんが棄てて行った紙ナプキンが沢山落ちている。 どの店でそうだがわざと残してあるようで、店が繁盛している証拠だと思っているみたい。
 
お腹も一杯になったところで旧市街を散策。 趣のある通りが続く。
 
通り掛った人が全員足を止めてしばし眺めるサンタマリア・デル・コロ Santa Maria Del Coro。

入り口に唐辛子を飾ったバル。
 
名物の生ハムの塊が天井からずらっと並んでいる店。 バルを何軒もハシゴするらしく、その為タパスやピンチョスは店によって違い、行った先々で違うものを楽しめるようだ。
 
憲法広場とでもいうのだろうか、La Plaza de la Constitución では出店とライブ・ミュージックで賑わっていた。お天気も素晴らしく皆さん最高にご機嫌。
 
この広場の右側にある建物のバルコニーの扉一つ一つに番号が降ってある。 昔この広場は闘牛場として使われ、観客席としてこのバルコニーが使われていたのだそうだ。
 
大鍋で茹でているのはタコ。 その場で切ってアツアツを即売。
 
海岸に出てみると、なんとなんと、素晴らしいビーチ。
 
後ろはピレネー・アトランティック、前はビスケー湾
 
 
港の方に回るとレストランがずらりと並び大勢の人で賑わっていた。

 
山あり、海あり、川あり、橋あり。 ズリオラ橋Puente de Zurriola
 
ウルグル山の上にはキリスト像 Sagrado Corazón (Sacred Heart)が街を見守るように。
建物も細部にわたって面白くこれもバスク様式なのだろう か。
  
山バスクにいくつもりが海バスクになってしまったが、サン・セバスティアンがこんなにのびやかで華やかでゴージャスな街だとは想像していなかった。もっとゆっくりして旧市街のバル巡りなどしてみたかったな。