5月1日はまた鈴蘭の日でもあり、街のあちこちで愛らしい鈴蘭の花束やアレンジメントを売る光景が見られた。
語学学校で毎週末と祭日に日帰りバスツアーを催している。 この日はモンペリエ北の山中にあるサン・ギエム ・デゼール Saint-Guilhem-le-Desert のツアーに参加した。
ごつごつとした白っぽいむき出した岩の間から灌木が生える南仏独特の風景
806年にギエムが設立した修道院。 ギエムはフランク王国シャルルマーニュ大王の従兄弟にあたり、王国南部辺境の防衛で勇猛な武将として活躍。 その後僧侶になり、この修道院を設立。 当時このあたりはイスラム勢力の影響があったため、フランク王国の勢力とキリスト教を浸透させるため教会や修道院が多く設立されたらしい。
山間に抱かれた村の広場。 モンペリエでは気がつかなかったが、このあたりの人のフランス語には少し訛りがあり、なんだか暖かく聞こえる。 ビアンbien をビエン、マァン(手)mainをメン、 ドォーンク doncをドンク等と発音している。 微母音が潰れて、「ア」が「エ」になってるな。 分かりにくいと思ったガイドのジャン・ポールの訛りはこの地方のものだったのか。
ここはフランスで最も美しい村の中の一つ。
サン・ギエムはまたスペインにあるキリスト教の聖地サンチアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼の街でもある。 ドアの右上にあるホタテガイに巡礼の絵が描かれたサインは巡礼を泊める宿であることを指している。
ちなみにギエム Guilheme というのはオキシタン語。フランス語のギヨーム Guillaume、英語のウイリアム William にあたる。